ごあいさつ

一昨年来、多くの企業が自律運行船やDX化に対応するビジネスを始めようとしています。

しかし、船内は依然としてネットワーク化されていません。

例えば、忙しいドック作業中に、機関室から外部に電話やメールも通じず、連絡の度に何度も階段を上り下りしなければならないという話を伺いました。これではDX化以前の問題ですね。

私たちは船内のネットワーク環境を整えるのが最優先だと考えました。

 

そんな中、2021年6月に日本舶用工業会の働き掛けもあって電波法が改正され、船内でもPLCが使えるようになりました。PLCの技術もここ数年で著しく向上し、現在はHD-PLCという第3世代のPLC技術が実用化されています。HD-PLCでは、理論上、最大240Mbpsの高速通信が可能です。

PLCとは電力線に高周波信号を重ねて通信ネットワークを構築する技術です。電力線さえつながっていれば、新たにLANケーブルを敷設する必要がありません。

 

私たちはこれを好機と捉え、HD-PLCを使って、より簡単に、素早く、船内のネットワーク・インフラを整備するソリューションを提供しようと考え、2021年11月に日本船舶通信株式会社を設立しました。

 

2022年、つまり今年の秋ごろには、ワンウェブやスターリンクといった新時代の宇宙インターネットがサービスを開始すると言われています。月額100ドル前後で海上でもブロードバンドが使い放題になる、まさに海事業界にとって大革命が始まろうとしています。ところが、せっかくのブロードバンドがあっても、必要な場所で使えなければ宝の持ち腐れです。

 

船内のネットワーク・インフラを構築しなければ、船舶のDX化は進まないというのが私たちの認識です。

 

seagullset.jpg当社では、手始めにポータブルタイプの簡易船内Wi-Fiキット、通称「シーガル」を2月から販売開始します。

 

シーガルは、親機と子機の構成になっていて、親機にはNTTドコモ回線のSIMとLTEルーターとHD-PLCモジュールが、子機にはWi-FiルーターとHD-PLCモジュールが組み込まれています。

同じ電力系統のコンセントを利用することが条件になりますが、親機をブリッジに、子機を機関室のコンセントに差せば、簡単に機関室からインターネットにアクセスできます。階段の上り下りが必要なくなります。

ポータブルタイプですので、持ち運びができます。舶用機器のサービスエンジニアが、シーガルを持って船内に乗り込む、なんてことも出来るかもしれません。

当社では、このシーガルを、通信料込みのサブスクリプション方式で提供しようと考えています。

 

一方、ポータブルでない常設タイプも提供します。

船内に監視カメラを置いて、陸上から荷役の状況を監視したいという要望を多く聞きます。

船用のカメラは100万円以上もするのですが、多くは船内だけの利用に限られ、陸からアクセスして監視することは出来ません。

シーガルを複数組み合わせて使うことで、陸で使われているネットワークカメラが船内でも手軽に使えるようになります。参考までに、ネットワークカメラは船用に比べて10分の一程度の価格です。シーガルは5G通信にも対応できますので、5Gが届く港湾内の荷役や離着桟時には高速通信でストレスなくカメラにアクセスすることもできます。

 

株式会社NMDグループ NMCカンパニーは、
これからも海事に携わる皆様の通信環境改善に努めてまいります。

2022年2月

 

㈱NMDグループ NMCカンパニー

NMCカンパニーCEO 増山芳治